アルギン酸のハイドロゲル繊維

アルギン酸

アルギン酸は海藻由来の多糖で,食品としても広く用いられている。カルシウム存在下でゲル化することが知られ,その特性を活かして最近では3Dプリンタ用のインクなどの使用方法も開発されている。再生医療材料としても注目に値する材料ではあるが,アルギン酸からナノファイバー形状のハイドロゲルを得る方法はこれまで知られていなかった。


芯鞘エレクトロスピニング法の利用

そこで,芯鞘エレクトロスピニング法を利用したコラーゲンのエレクトロスピニングと同様に,ポリビニルピロリドン(PVP)をシェルとして内部にアルギン酸溶液を包埋した繊維を作製し,のちにシェルのPVPを除去することでアルギン酸単独から成るハイドロゲルナノファイバーを得ることに成功した。うまく加工することで細いチューブ状の構造体などにも利用可能な興味深い技術である。





参考文献

Fujita S, Wakuda Y, Matsumura M, Suye S, Geometrically customizable alginate hydrogel nanofibers for cell culture platforms. J. Mater. Chem. B, 7, 6556 (2019) http://dx.doi.org/10.1039/c9tb01353a