ペプチドでナノファイバーを修飾
細胞接着性ペプチド
細胞が材料と接着するときに間に介在するのが細胞接着タンパク質。生体中では,細胞外マトリクスと呼ばれる構造体と細胞が接着する際,多くの種類の細胞接着タンパク質が働くことが知られている。
ラミニンは細胞接着タンパク質のひとつ。神経細胞の接着に有効なことがよく知られている。ラミニン中には5残基から成るIKVAVなる配列が存在する。この短いペプチドこそがラミニンの基質への強い接着(相互作用)の働きを担っている。このペプチドでナノファイバー表面にコーティングしてやると,ナノファイバー上への神経細胞の接着を強くサポートすることが示された。
この研究は,国立循環器病センターとの共同研究です。
参考文献
W.-Y. Huang, A. Otaka, S. Fujita, T. Yamaoka, Bioactive peptide-bearing polylactic acid fibers as a model of the brain tumor-stimulating microenvironment. Polym. J., 55, 273-281, 2023. https://doi.org/10.1038/s41428-022-00743-8